「また水筒忘れてる!」
「昨日、明日の準備をしたはずなのに……」
「何回言ったら忘れなくなるの?」
学校から帰ってきた子どものランドセルを見て、ため息をついた経験はありませんか?
宿題、筆箱、水筒、ハンカチ、体操服、提出物……。
毎日のように何かを忘れていると、
「どうしてこんなに忘れるんだろう」
「ちゃんと話を聞いていないのかな?」
「もう少ししっかりしてほしい」
と心配になる保護者の方も多いと思います。
しかし、子どもの忘れ物は、
単純に「だらしない」「やる気がない」という理由だけで起こるものではありません。
子どもはまだ、
自分で予定を確認したり、必要なものを覚えておいたり、順番に準備したりする力が発達の途中です。
また、忘れ物の多さの背景には、その子の得意・不得意が関係していることもあります。
今回は、療育の視点も交えながら、
子どもの忘れ物が多くなる理由と、家庭でできる忘れ物対策についてご紹介します。
こどもの忘れ物が多い…

「学校に持っていくはずのものを家に忘れる」
「学校から持って帰ってくるはずのものを忘れる」
「宿題をやったのに提出するのを忘れる」
このようなことが続くと、どうしても大人は、
「昨日も言ったよね?」
「ちゃんと覚えておいて!」
「自分のことなんだから自分で準備して!」
と言いたくなります。
もちろん、少しずつ自分で準備できるようになることは大切です。
ただし、子どもに「忘れないように頑張って」と伝えるだけでは、
なかなか改善しない場合があります。
なぜなら、忘れ物をしないためには、
「明日は何が必要か思い出す」
「必要なものを集める」
「ランドセルに入れる」
「朝、持って出る」
「学校で必要なタイミングに出す」
という、いくつもの行動が必要だからです。
大人にとっては当たり前に見える「明日の準備」も、子どもにとっては意外と複雑な作業なのです。
こどもの忘れ物あるある
子どもの忘れ物には、さまざまなパターンがあります。
たとえば、
- 宿題は終わっているのに、家に置いたまま登校する
- 連絡帳に書いてあるものを確認し忘れる
- 水筒や給食袋を玄関に置いたまま出発する
- 学校に上着や傘を置いて帰ってくる
- プリントをランドセルの奥に入れたまま出し忘れる
- 「あとでランドセルに入れよう」と思って、そのまま忘れる
- 明日の準備中に別のものが目に入り、途中で違うことを始める
- 「持った?」と聞くと「持った!」と言うのに、実際には入っていない
「うちもある!」と思った方もいるのではないでしょうか。
特に小学生のうちは、このような忘れ物は決して珍しいことではありません。
ここで大切なのは、
忘れたことを責めるだけではなく、「どの場面で忘れているのか」を見つけること
です。
たとえば、
「準備すること自体を忘れている」のか、
「準備はしたけれどランドセルに入れ忘れている」のか、
「ランドセルには入れたけれど学校で提出するのを忘れている」のか。
同じ「忘れ物」でも、
つまずいているポイントによって必要な工夫は変わります。
忘れ物が多いのは性格?それとも特性?

忘れ物が続くと、
「この子はおっちょこちょいだから」
「だらしない性格なのかな」
「本人の意識が足りないのでは?」
と考えてしまうことがあります。
しかし、忘れ物の多さを「性格」の一言だけで片づける必要はありません。
子どもは成長の途中にあり、
- 必要な情報を一時的に覚えておく
- やるべきことを順番に進める
- 今していることから次の行動へ切り替える
- 周りの刺激に気を取られず行動する
- 時間を見ながら準備する
といった力も、少しずつ育っていきます。
たとえば、
「明日は図工があるから絵の具セットを持っていこう」
と思ったとしても、
そのあとゲームをしたり、お風呂に入ったり、テレビを見たりしているうちに忘れてしまうことがあります。
これは、大人でも経験がありますよね。
また、発達の特性によって、
注意を向け続けることや、複数の情報を覚えながら行動することが苦手な子どももいます。
一方で、「忘れ物が多い=発達障害」というわけではありません。
忘れ物だけで判断するのではなく、
「どんな場面で困っているのか」
「生活全体でどの程度困りごとがあるのか」
「どのような工夫をするとできるようになるのか」
を見ていくことが大切です。
そして療育では、
本人に何度も注意して覚えさせるというよりも、
忘れにくい環境や仕組みをつくることを大切にします。
忘れ物を減らす3つの工夫

では、家庭ではどのような工夫ができるのでしょうか?
ポイントは、子どもの「記憶」や「気合い」に頼りすぎないことです。
① 持ち物を「見える化」する
「明日の準備してね!」
という声かけだけでは、子どもは何をすればいいのか分からない場合があります。
そこでおすすめなのが、持ち物リストを作ることです。
たとえば、
□ 連絡帳
□ 筆箱
□ 宿題
□ 水筒
□ ハンカチ
□ 給食袋
というように、確認するものを目で見えるようにします。
まだ文字を読むことが難しい子であれば、写真やイラストを使ってもOKです。
そして大切なのが、
「リストを見る → 持ち物を確認する」
という行動をセットにすることです。
毎日大人が、
「水筒持った?」
「宿題入れた?」
「ハンカチは?」
と一つずつ確認していると、子どもは「大人に言われて確認する」ことに慣れてしまいます。
そこで、
「水筒持った?」
ではなく、
「チェック表を見てみよう」
と声をかけてみましょう。
少しずつ、「自分で確認する」行動につなげていくことができます。
② 持ち物の「置き場所」を決める
忘れ物が多い子の場合、
「昨日使った水筒はキッチン」
「ハンカチは洗面所」
「提出するプリントは机の上」
「体操服はリビング」
というように、準備するものが家の中にバラバラに置かれていることがあります。
これでは、毎朝宝探しのようになってしまいます。
そこで、
学校に持っていくものを置く場所を決めておく
のがおすすめです。
たとえば玄関近くに「明日持っていくものBOX」を置き、
学校へ持っていくものは、気づいた時点ですべてそこに入れておきます。
「あとでランドセルに入れよう」
は、忘れ物につながりやすいポイントです。
提出物を受け取ったらBOXへ。
洗った給食袋を準備したらBOXへ。
明日持っていく図工セットに気づいたらBOXへ。
このように、思い出した瞬間に決められた場所へ移動する仕組みを作ると、
子どもが覚えておかなければならないことを減らすことができます。
③ 準備する「タイミング」を決める
「寝る前に準備してね」
「時間があるときにやってね」
という約束は、大人には分かりやすくても、子どもにとっては曖昧なことがあります。
特に、
「あとで」
「そのうち」
「寝る前」
といった時間は、子どもによって捉え方が違います。
そこでおすすめなのが、生活の中にすでにある行動とセットにすることです。
たとえば、
夕食を食べたら → 明日の準備
宿題が終わったら → ランドセルに入れる
歯磨きの前に → 持ち物チェック
というように決めます。
毎日同じ流れを繰り返すことで、「忘れないように覚えておく」のではなく、
準備そのものを習慣にしやすくなります。
最初は保護者と一緒に確認して大丈夫です。
慣れてきたら、
「一緒に確認する」
↓
「子どもが確認し、大人が最後だけチェックする」
↓
「子どもだけで確認する」
というように、少しずつ大人のサポートを減らしていきましょう。
まとめ:大人も継続が大切です⭐

忘れ物対策を始めると、
「チェック表を作ったのに、また忘れた……」
ということもあります。
でも、1回や2回うまくいかなかったからといって、「この方法は意味がない」と判断する必要はありません。
大切なのは、子どもが使える仕組みになるまで繰り返すことです。
私たち大人も、新しい習慣を身につけるには時間がかかります。
子どもなら、なおさらです。
最初は、
「チェック表見ようか」
と毎日声をかけなければならないかもしれません。
それでも繰り返していくうちに、
大人に言われてチェックする
↓
自分からチェック表を見る
↓
チェック表がなくても準備できる
というように、一人でできることが増えていきます。
また、忘れ物をしたときに、
「だから言ったでしょ!」
「また忘れたの?」
「何回言えば分かるの?」
と叱り続けても、「忘れないための方法」が身につくわけではありません。
忘れ物をしたときこそ、
「どこで忘れちゃったかな?」
「次はどうしたら忘れにくくなるかな?」
と一緒に考えてみてください。
そして、自分で準備できた日には、
「今日は自分でチェックできたね!」
「昨日のうちに入れておいたから忘れなかったね」
と、できた行動を具体的に伝えることも大切です。
「忘れない子にする」のではなく、
「忘れても困らない仕組みを作れる子にしていく」。
そのような視点を持つと、保護者の負担も少し軽くなるかもしれません。
忘れ物は、子どもの「性格」や「やる気」だけの問題ではありません。
その子がどこでつまずいているのかを見つけ、目で見える工夫や環境づくりを取り入れながら、一つずつ「自分でできる」を増やしていきましょう(^^♪
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忘れ物をする原因や背景について詳しく書かれています
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