【毎日続く兄弟喧嘩でノイローゼ寸前…】
「また喧嘩!?もういいかげんにして!」
子ども同士の言い争いに、今日もイライラが募る…。
そんな日々が続くと、親の心もすり減ってしまいますよね。
療育の現場でも、「兄弟喧嘩が絶えなくて困っている」というご相談はとても多く聞かれます。
この記事では、兄弟喧嘩が多くなる原因や、今すぐできる対処法、仲良くなれる関わり方まで、専門家の視点でわかりやすく解説します。
「うちの子たち、仲良くなれないかも…」と感じている方も、きっと希望が見えるはずです。
遺伝?性格?兄弟喧嘩が多いのは何か原因があるの?
子ども同士のトラブルには、何かしら背景があります。ただ「性格が合わない」「うちの子だけ変わってる」と決めつけてしまう前に、よくあるパターンを知っておきましょう。
兄弟喧嘩で多い原因ランキング
1位:おもちゃや持ち物の取り合い
2位:親の関心の取り合い(甘えたい、注目されたい)
3位:遊びのルールでもめる(順番、勝ち負けなど)
4位:体格差・年齢差による不公平感
5位:上の子の“我慢役”に対するストレス
兄弟喧嘩には、家庭内の環境や親の関わり方も大きく関わっています。
実は「喧嘩できる関係性」があるからこそ、ぶつかり合えるとも言えるのです。
こんなに喧嘩が多いのはうちだけ??他の家庭は?
児童心理の研究では、未就学〜小学生の兄弟姉妹が喧嘩をする平均回数は「1日3〜4回」。特に長期休み中は増加傾向にあります。
つまり「うちの子たちだけ多いかも…」と思っても、実は“よくあること”なんです。
兄弟喧嘩が多いのは遺伝や性格と関係ある?
確かに気質的な要素(せっかち、こだわりが強い、感情の起伏が大きいなど)は影響しますが、環境要因のほうが大きいとされています。
・「親がつい上の子に厳しくしてしまう」
・「下の子に手がかかり、上の子の話を聞く時間が減る」
このような関係性の積み重ねが、喧嘩の頻度や激しさに影響を与えます。
喧嘩がなくなるにはどうしたらいい?起こってしまった時の対応法も教えて
兄弟喧嘩を減らす3つのポイント
1.役割分担を決めておく
・遊ぶ前に「順番」や「役割」を一緒に確認
・ルールを紙に書いて貼っておくのもGOOD☆
2.“比較”ではなく“個別の尊重”を意識する
・「お兄ちゃん・お姉ちゃんなんだから」はNGワード
・それぞれの“気持ち”に共感して伝える
例)「取られてイヤだったんだね」「順番を守ってほしかったんだね」
3.親が“審判役”ではなく“通訳役”になる
・「どっちが悪いの?」と決めない
・子どもの言い分を言葉にして代弁(モデリング)してあげる
例)「◯◯くんは、遊んでいたのに急に取られて困ったって言ってるよ」
喧嘩が起きた時の対応ステップ
ステップ1:まずは「安全」と「落ち着き」を確保する
喧嘩がヒートアップしているときは、感情のままに手が出る・叫ぶ・物を投げるなど、危険な行動につながりやすくなります。
【具体的対応】
-
物理的に距離を取る(部屋を分ける/ソファとダイニングなど離して座らせる)
-
「落ち着いたら話そうね」と声をかけるだけで介入は最小限に
-
すぐに謝らせたり、原因を問い詰めたりしない(※火に油を注ぐ結果になることも)
☆ポイント:子どもが落ち着くまでにかかる時間は年齢や性格で異なる!焦らず待ちましょう。
ステップ2:一人ずつ「気持ち」と「事実」を丁寧に聞く
興奮が収まってきたら、一人ずつ別々に話を聞くことが大切です。
【具体的対応】
-
子どもが話しやすいタイミングを見て、「どうして怒ってたの?」と感情に焦点を当てて聞く
-
「○○が悪い」といった攻撃的な言葉が出ても、責めずに受け止める
-
「こうしたかったんだね」「嫌だったんだね」と気持ちを代弁することで、子ども自身も感情に気づけます
☆ポイント:「どっちが悪いの?」という“犯人探し”はNG!
大事なのは、「何があったか」より「どう感じたか」を共有することです。
ステップ3:両者の気持ちを“翻訳”して伝え合う
お互いの言い分を整理できたら、親が“通訳役”として感情を橋渡ししてあげましょう。
【具体的対応】
-
「◯◯くんは順番を守ってほしかったんだって」
-
「△△ちゃんはもう少し遊んでいたかった気持ちがあったみたい」
-
「どちらも大事な気持ちだったね」とどちらの立場も肯定
☆ポイント:ここで“どちらが正しいか”を決める必要はありません。
子どもが「わかってもらえた」と感じることが、信頼と学びにつながります。
ステップ4:「どうすればよかったか?」を一緒に考える
ここが最も大切なステップです。
「仲直り」よりも、「今後どうしたらいいか」という“解決力”を育てる機会にしましょう。
【具体的対応】
-
「次に同じことが起きたら、どうしようか?」と問いかけてみる
-
子どもが「順番決めてから遊ぶ」「取る前に聞く」などアイデアを出せるようサポート
-
できたらルールを紙に書いて目に見えるところに貼っておく
☆ポイント:小さな成功体験(ルールが守れた、順番を交代できた)を積み重ねることが、兄弟間の信頼構築につながります。
ステップ5:「できたこと」に注目して終える
喧嘩が収束したら、「仲直りさせる」ことよりも、「よくがんばった」と認めることが大切です。
【具体的対応】
-
「ちゃんと自分の気持ちを話せてえらかったね」
-
「相手の気持ちも聞こうとしたね」
-
「今度はもっと早く落ち着けそうだね」
☆ポイント:「謝らせて終わり」にしない。
その場でできた行動、努力を褒めて自己肯定感につなげていきましょう。
補足:こんな工夫も効果的!
おうちルールの表・・・おもちゃやテレビの「順番ルール」を見える化
感情カード・・・「かなしい」「くやしい」「たのしい」などを指さしで表現
親のモデル行動・・・「ママは○○がイヤな時、こうやって伝えてるよ」とお手本を見せる
お子さんに合わせたピッタリな対応法、探してみてくださいね(^^♪
まとめ|兄弟喧嘩は“育ち合い”のチャンスになる
兄弟喧嘩は、親にとってストレスフルな出来事ですが、見方を変えれば「社会性を育てるトレーニング」の場です。
喧嘩を通して、子どもたちは「我慢」「交渉」「譲り合い」などを自然と学んでいきます。
親ができるのは、“その関係性をうまく見守り、整えてあげること”。
完璧な対応を目指さなくて大丈夫”!「今日はちょっと冷静に関われたな」で十分です♪
そして、うまくいった日には「今日仲良くできたね」と、親子で一緒に振り返る時間を大切にしましょう。
ぜひ、参考になりましたら嬉しいです(^^♪