小学一年生なのにひらがなが読めない…大丈夫?療育の専門家が教える練習方法

 

「もう小学一年生なのに、まだひらがなが読めない……」

「クラスの子は読めているのに、うちの子だけ遅れているのでは?」

「何度教えても覚えられない。教え方が悪いのかな?」

 

お子さんのひらがなの読みについて、このようなお悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?

 

小学校に入ると、

教科書や時間割、プリント、連絡帳など、

生活のさまざまな場面で文字を目にするようになります。

 

 

そのため、ひらがなが読めないと、

 

「このままで授業についていけるの?」と心配になりますよね。

 

まずお伝えしたいのは、

 

小学一年生でひらがなが読めないからといって、それだけで発達に問題があるとは限らないということ

 

です。

 

文字を覚える時期やスピードには個人差があります。

 

また、

「文字を見て音が分かる」

「文字を続けて単語として読む」

「文章の意味を理解しながら読む」

 

は、それぞれ別の力です。

 

この記事では、

 

子どもの発達を支援する療育の専門家の視点から、

 

ひらがなは何歳ごろから読めるようになるのか

 

小学一年生で読めない場合、どのように考えればよいのか

 

「家庭でできるひらがなの教え方」

「練習するときに大切なポイント」

 

について、分かりやすく解説します🌟

 

小学一年生になったのにまだひらがなが読めない…

 

小学一年生になってもひらがなが読めないと、保護者の方はどうしても周りの子と比べてしまいます。

 

 

「幼稚園のころから読めていた子もいるのに……」

「授業で困っているのでは?」

「もっと早くから練習させればよかった」

 

そう思うこともあるでしょう。

 

実際、多くの子どもは就学前にある程度のひらがなを読めるようになります。

 

幼稚園年長児230名を対象にした研究では、71文字のうち平均64.9文字を読むことができていました。

 

一方で、

研究では文字の習得がゆっくりな子どもが一定数いることも示されています。

 

つまり、「年長になれば全員が同じように読める」というわけではありません。

 

 

大切なのは、

「何文字読めるか」だけではなく、「どのようなところで困っているか」を見ることです。

 

 

たとえば、

同じ「ひらがなが読めない」でも、子どもによって様子は違います。

 

「あ」を見ても何の文字か分からない子もいれば、

 

「あ」は読めても「あ・め」と一文字ずつ読むため、

「あめ」という言葉につながらない子もいます。

 

また、

・「さ」と「ち」をよく間違える

・一度覚えても次の日には忘れている

・自分の名前は読めるが、ほかの文字には興味がない

・一文字ずつは読めるが、単語になると読めない

・読むことにとても時間がかかる

 

など、つまずき方はさまざまです。

 

そのため、

「一年生だから全部読めなければいけない」と焦るよりも、

 

今どこまでできていて、

次に何を練習すればよいのかを考えることが大切です!

 

なお、小学校では第一学年から平仮名や片仮名の読み書きを学びます。

 

入学前にすべて完璧であることが前提ではありません。

 

文部科学省の学習指導要領でも、

小学校の国語科において文字の読み書きを学ぶことが位置づけられています。 (文部科学省)

 

ですから、

小学一年生でまだ読めない=もう遅い

ではありません。

 

 

ただし、

何度練習してもほとんど文字を覚えられない場合や、本人が学校生活で強く困っている場合は、「そのうち読める」と長く様子を見るだけではなく、つまずき方に合った支援を考えていきましょう。

 

ひらがなが読める時期は?

 

ひらがなに興味をもち始める時期には、大きな個人差があります。

 

一般的には、幼児期になると、

 

「これ、なんて書いてあるの?」

「ぼくの名前の字だ!」

 

と、身近な文字に気づき始めます。

 

そこから、

 

自分の名前や好きなキャラクター、食べ物など、

興味のある言葉の文字から少しずつ覚えていく子どもが多く見られます。

 

年長児を対象にした研究では、

多くの子どもが就学前にかなりの数のひらがなを習得していることが分かっています。

 

一方で、習得の早さにはばらつきがあります。

 

ここで覚えておいてほしいのは、

文字は突然すらすら読めるようになるわけではないということです。

 

多くの場合、次のような段階を進みます!

 

➀看板や絵本などの「文字」に気づく

➁自分の名前など、よく見る文字を覚える

➂「あ」「い」「う」のように一文字ずつ読める文字が増えていきます。

➃「い・ぬ」と一文字ずつ読んでいたものが、「いぬ」と一つの言葉として読めるようになる

 

さらに、短い文を読み、意味を理解できるようになっていきます。

 

つまり、

文字が読めることと、

言葉として読めることと、

文章を理解しながら読めること

 

は同じではありません。

 

「一文字ずつなら読めるのに、文章が読めない」という場合も、決して珍しいことではないのです。

 

ひらがなが書ける時期は?

 

一般的に、ひらがなは読む力のほうが、書く力より先に育ちやすいと考えられます。

 

実際、先ほど紹介した年長児の研究でも、71文字の平均読字数は64.9文字だったのに対し、平均書字数は43.0文字でした。

 

文字を書くためには、

・文字の形を覚える
・正しい向きを理解する
・鉛筆を操作する
・線の長さや位置を調整する
・書き順を覚える

といった、読むこととは別の力も必要だからです。

 

そのため、

「読めるけれど書けない」

という状態は、発達の途中では自然なことです。

 

 

反対に、見本を見て文字を写せても、その文字を読めない場合もあります。

 

「書けたから読めているはず」とは限らないため、

読む練習と書く練習は分けて考えることが大切です。

 

特に、

ひらがながまだ十分に読めていない子どもに、何度も書き取りをさせる方法はおすすめできません。

 

まずは、

見て分かる → 声に出して読める → 言葉として分かる

という力を育てていきましょう。

 

「何歳までに読めれば大丈夫?」よりも大切なこと

 

保護者の方から、

「何歳までに読めれば大丈夫ですか?」

と聞かれることがあります。

 

もちろん、年齢の目安は参考になります。

 

しかし、療育の現場では、年齢だけで判断することはありません。

 

大切なのは、子どもの変化を見ることです。

 

たとえば、

先月は3文字しか読めなかったけれど、今月は10文字読めるようになった。

 

これは、ゆっくりでも確実に学習が進んでいます。

 

一方で、

「数か月間練習してもほとんど覚えられない」

「毎回同じ文字を初めて見るような反応をする」

「読むことを極端に嫌がる」

 

こうした場合には、

子どもの努力不足ではなく、今の教え方がその子の学び方に合っていない可能性も考える必要があります。

 

重要なのは、

「できる・できない」ではなく、

どうすれば分かるのか」を探すことです。

 

教えて!ひらがなの教え方!

 

ひらがなを教えるとき、多くの保護者の方が最初に「あいうえお表」を思い浮かべるのではないでしょうか。

もちろん、あいうえお表も役立ちます。

 

しかし、文字にまだ興味のない子どもに、

「あ、い、う、え、お……」

と順番に暗記させても、なかなか覚えられないことがあります。

 

子どもにとって覚えやすいのは、自分にとって意味のある文字!

 

たとえば、

「あ」という文字だけを覚えるより、

 

「あ」は「あいす」の「あ」

と好きな食べ物と結びつけたほうが覚えやすくなります。

 

「でんしゃ」が好きな子どもなら、

「で」

「ん」

「しゃ」

から始めても構いません。

 

必ずしも「あ」から順番に教える必要はないのです。

 

おすすめのひらがな読み練習3選

1.まずは「好きなもの」の文字から始める

最初におすすめしたいのは、子どもが好きなものの名前を使う方法です。

たとえば、

子どもの名前
家族の名前
好きな食べ物
好きなキャラクター
動物
乗り物

などです。

 

電車が好きなら、電車の写真と「でんしゃ」の文字を一緒に見せます。

そして、

「これ、でんしゃだね」

「最初は『で』だよ」

と伝えます。

 

ポイントは、一度にたくさん教えないことです。

 

最初は、一文字からでも十分です。

 

今日、「で」が分かった。

明日も「で」が分かった。

別の場所で見ても「で」と読めた。

 

このように、少しずつ「分かる」を積み重ねていきましょう。

 

2.一文字だけでなく「言葉」で読む

文字カードを使って、

「あ」

「い」

「う」

と練習する方法もあります。

 

しかし、それだけでは「文字を読む練習」になっても、「言葉を読む練習」にはつながりにくいことがあります。

 

一文字が少しずつ読めるようになったら、

「いぬ」

「ねこ」

「すし」

「かさ」

など、短くて知っている言葉も使いましょう★

 

たとえば、

「ね・こ」

と読んだあとに、

「続けて読むと?」

と聞きます。

 

「ねこ!」

と言えたら、大成功です♩

 

最初は大人が、

「ね・こ。ねこ!」

と見本を見せても構いません。

 

一文字ずつ読むことから、言葉としてまとめて読むことへ。

この橋渡しがとても大切です。

 

3.生活の中に「読む」を増やす

ひらがなの練習は、机の上だけで行う必要はありません。

 

むしろ、文字が苦手な子どもほど、日常生活の中で自然に文字に触れる方法がおすすめです。

 

たとえば、

 

⭐スーパーで「ぱん」を探す。

⭐家の中に「といれ」「おふろ」とカードを貼る。

⭐おやつを選ぶときに、「ぐみ」と「せんべい」のカードを見せる。

⭐今日の予定を、「こうえん」「おやつ」「おふろ」と文字で見せる。

 

このように、読めると良いことがある経験を増やします。

 

 

「読んだから好きなおやつが選べた」

「文字を見たから次の予定が分かった」

 

そんな経験が増えると、子どもにとって文字は、

 

「覚えなければいけないもの」

 

から、

 

「分かると便利なもの」

 

に変わっていきます。

 

楽しく読める!学べるコツは?

 

ひらがなの練習で最も大切なことは、子どもが「またやってみよう」と思えることです。

 

そのためには、次の3つを意識してみてください(^^)/

 

「間違い」を減らして「できた」を増やす

 

子どもが答えられないときに、

 

「違うよ」

「さっきもやったでしょう」

「これは何?」

 

と何度も問い続けると、文字を見ること自体が嫌になってしまうことがあります。

 

 

分からないときは、すぐに教えて構いません。

 

「これは『あ』だよ」

 

と伝え、もう一度見せます。

 

そして、答えられたら、

 

「そう!『あ』だね」

 

と成功で終わらせます。

 

テストするより、教える回数を増やすことが大切です!

 

 

一回の練習は短くする

 

長時間の練習が、必ずしも効果的とは限りません。

 

特に文字に苦手意識のある子どもは、

 

「今日は30分頑張ろう」

よりも、

 

「3分だけやって終わり」

のほうが続きやすいことがあります。

 

 

「もう少しできそう」

というところで終わるくらいでも構いません。

 

 

大切なのは、

一日にたくさん覚えることではなく、無理なく繰り返すことです。

 

 

できない文字より「読める文字」に注目する

 

大人はつい、

 

「まだ『ぬ』が読めない」

「『さ』と『ち』を間違える」

 

と、できないところに注目してしまいます。

 

 

しかし、子どもに必要なのは、

 

「10文字も読めるようになったね」

「昨日より早く分かったね」

 

という、できるようになったことへの気づきです。

 

「読めた!」

「分かった!」

 

という経験が、次の学習への力になります。

 

小学一年生でひらがなが読めないとき、相談したほうがいい?

 

小学一年生でひらがなが読めないからといって、

すぐに何かの問題があると決めつける必要はありません。

 

ただし、次のような様子が続く場合は、担任の先生や専門機関に相談してもよいでしょう。

 

・練習を続けても、読める文字がほとんど増えない

・覚えた文字をすぐに忘れてしまう

・似た文字を非常に多く間違える

・一文字ずつ読めても、単語としてまとめて読めない

・読むことに非常に時間がかかる

・音読の負担がとても大きい

・本人が「学校に行きたくない」「自分は勉強ができない」と感じ始めている

 

 

相談することは、子どもに「問題がある」と決めることではありません。

 

 

その子に合った学び方を見つけるための第一歩です。

 

 

文字の読みにつまずく理由は、一人ひとり異なります。

 

 

だからこそ、

「もっと練習させる」

だけではなく、

 

 

「どこでつまずいているのだろう?」

 

と考えることが大切です。

 

 

まとめ

「小学一年生なのに」ではなく、今できることから

 

小学一年生になってもひらがなが読めないと、不安になるのは当然です。

 

 

 

しかし、文字の習得には個人差があります。

 

 

大切なのは、周りの子どもと比べることではありません。

 

昨日のその子と、今日のその子を比べてみてください(*^-^*)

 

 

一文字読めた。

自分の名前が分かった。

「い・ぬ」を「いぬ」と読めた。

 

 

それらは、すべて大切な成長です。

 

 

ひらがなを教えるときは、

 

「好きなものから始める」

「一文字だけでなく、意味のある言葉につなげる」

「生活の中で文字を使う」

「短い時間で繰り返す」

「「できた!」で終わる」

 

この5つを意識してみてください。

 

 

そして、練習してもなかなか覚えられないときは、

決して本人の努力不足でも、保護者の教え方のせいでもありません。

 

 

子どもには、それぞれ分かりやすい学び方があります。

 

「どうして読めないの?」ではなく、

「どうしたら、この子には分かりやすいだろう?」

 

と考えること。

 

それが、子どもの「読めた!」を増やすための、いちばん大切なスタートです🌟

 

ぜひお試しください♩

 

 

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